お仏壇に魂を入れることは間違いです。正式には入仏式または遷仏式といいます

お仏壇を初めて購入された方に、よくよく「魂を入れて欲しいのでお経をお願いします」と言われますが、これは間違いです。そのような依頼をされても、住職さんは魂を入れることも、抜くことも出来ません。そもそも魂って何かを理解しての事でしょうか。せっかくお仏壇を購入して、仏様をお迎えするのですから魂とは何なのか、仏様とは何なのか、そしてお仏壇の迎える心持ちについて解説します。

魂とは何か

魂とは霊魂とも言われる。肉体から離れたり、死後も存続することが可能と考えられ、体とは別にそれだけで一つの実体をもつとされ、科学的に証明されないが今でも多くの人に信じられている。非物質的な存在で人間が生きている間はその体内にあって、生命や精神の原動力となっていると考えられる。人格的・非物質的な存在から個人の肉体や精神をつかさどる人格的存在、感覚による認識を超えた永遠の存在として捉えられている。

お仏壇と魂

そのせいか、お仏壇に入るのは魂と考えて「お魂入れ」、「お性根入れ」とか言われる。また古くなったお仏壇を修理に出すときや処分する時にも同様に「お魂抜き」「お性根抜き」という表現がよく使われます。しかし依頼された僧侶は、お仏壇に魂を入れたり出したり、そんな器用な真似は出来ません。もし魂の出し入れをされる方がいらっしゃった場合は、付き合いの距離を取られた方が良いでしょう。

魂とは言わず入仏法要を行うべし

浄土真宗では、お仏壇に新しくご本尊をお迎えする時の法要を「入仏法要」(にゅうぶつほうよう)と言います。「入仏」とは仏様に魂を入れるのではなく、迷いや欲望に満ちた我々凡夫を救おうと、形に現れてくださった阿弥陀仏にお仏壇に入っていただくという事です。仏像という作り物に魂を入れて仏様として完成するのではなく、仏像そのものこそ貴いもので、この私を教えに導いてくださる阿弥陀様であると仰ぐものなのです。

お仏壇をご安置することは仏様をお迎えするという喜びの行事

お仏壇をご安置するという事は、魂を入れる場所を作るという事ではありません。お仏壇を購入するという事は、阿弥陀様をご安置する場所を作るということなのです。私たちが家を建てるのは、自分や家族がそこで安心して暮らしていくために家を建てるように、お仏壇という「家」は御本尊である「ご主人:阿弥陀様」をお迎えするために用意されるということです。したがって入仏法要とは、仏様をお迎えしたことを喜び、そのお徳を讃える行事なのです。

お仏壇から仏様を出す時

一方、すでにご本尊があって、古いお仏壇から新しいお仏壇にお移しする場合やお仏壇を修理に出す時など、御本尊を別の場所にお移しする場合は「遷仏法要」(せんぶつ)と言います。

せっかく新しいお仏壇を求めても、魂など実体のないものに振り回されて、本当のお仏壇を求める意味を間違えてはいけません。ただしこの度、記事を読んでくださった方は、しっかりとお仏壇をお迎えする意味を知って頂けたのですから、「魂と入れる」とは言わずに「仏様をお迎えする」という言葉を使ってお仏壇をご用意しましょう。そういった一つひとつの事から仏教の教えに出会っていくことが、地道ながら大切な一歩となります。

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